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中尾浩之監督インタビューINTERVIEWSSep.01,2015

デジタルコンテンツの現状

―――企業が発信する映像や、映像配信サービスの変化について

現在、企業やブランドがどんどん、ショートフィルムやコンセプトムービーを作っています。
映画的な物もあれば、面白映像もあります。今後企業の発信するCMやブランディング映像はどのようになっていくと思いますか?

中尾:バイラルムービーと莫大な予算をかけたハイクオリティな物と、2極化されるんじゃないでしょうか?

国内では先行しているHuluや、dTV、UULA、9月2日にスタートするNetflixなど、定額配信性のサービスが活発化しています。これまでの映画やドラマの作り方のように全体の分量や話数、1話の長さなど制限なく、映像作家が作れる環境になってきています。これから、劇場映画、YouTubeの映像、定額配信向けの映画など、どのように差別化していくと思いますか?

中尾:「若い子は最近長い作品が観られないと聞きますし、一度に全部観られなくても、いつでも、どこでも細切れで観られるので、見易い環境になっていますよね。
自分は子供の頃のTV体験を強烈に持っている世代なので、連続物は非常に好きなんですよ。
映像作家にとっては、表現出来る選択肢が増えて良い事ですよね!
もちろん、2時間で完結する映画の魅力は外せないですが!

左をトリミングで縦型?IMG_4691

YouTubeで好きな物を作って良いと言われたら1分~3分の中でどのような映像を作りますか?

中尾:「結局自分は、ストーリーを映像で語るのが好きなんだと思います。そのストーリーの中で、映像的なエモーショナルな体験をしてもらえるような作品を作るでしょうね!」

◆最近、クラウドソーシングように、インターネットの中でクライアントと、映像作家が、やり取りを行い映像を完成させるケースが出てきています。監督はどのように思いますか?
また、これからの映像・映画の制作過程はどのように変化していくと思いますか?

中尾:まずは、どんどん制作工程がスピードアップしていきますよね!
人数が少なくてもどんどん映画が作れるようになってきているし、効率を重要視しながら、面白い映画を完成させられる事は出来ると思います。
実際、今も、僕は、打ち合わせは、メールや、時々SKYPEする程度で、作品作っていますしね。
ただ、一度も会わないとなると、相手がどのような人か?信頼出来る相手なのか?
そういう事は調べる必要が出てきますね。

世界を相手に勝負するには?

―――世界のマーケットを見据えると

個人的には、超大作映画の分野では、バジェット的にも、制作までのディベロップメントの手順なども含め、日本がハリウッドに勝つのはかなり難しいのでは?と思います。

中尾:「勝てないですかね?勝てる、勝てない、のカテゴリーによると思うんですけど、最初から世界をマーケットにしていないものもあると思うし、狙っている日本国内のマーケットでは勝っていれば、それはビジネスとしては成功しているんだと思います。」

では、世界をマーケットに捉えた時、世界各国で大ヒットするような日本映画が生まれると思いますか?

中尾:「そうしたいと思って、僕は頑張っていますし、無理だと思った事は一度も無いです!
ただ、やり方は色々あると思います。テーマの設定や、ジャンルの設定、キャストの設定など、世界のマーケットで通用する為のやり方を相当考えないといけないと思います。
ヒットさせようとはいつも思っていますし、勝てないとは思っていないですよ。
人間の普遍的な事を描いていれば、必ず共感する人はいると信じています。」

これからの日本人映像作家が世界で活躍出来る分野やジャンルの狙い目など、監督のお考えをお聞かせ下さい。

中尾:一番駄目なのは、ハリウッドのブロックバスター映画と同じようなフォーマットでやる事だと思っているし、それは意味の無い事だと思っています。
最近はそういう物が多いように感じます。後は、変化球の投げ方ですよね。例えば、映画『第九地区』は、南アフリカ出身の監督だから、ハリウッドぽいメジャーさはあるけど、アパルトヘイトが表現されていたり、変化球の投げ方が違う。そういう事を僕はやりたい!
メジャーだけど、ハリウッドと違うメジャーをいつも企画段階で意識しています。

宇宙船に乗って、地球滅亡の為に戦うような話は、リアリティーが無いし、それはもうアメリカがやっているから、じゃあ例えば、その設定の時に、日本支社は何をやっているかとか?
メジャーの中でもそういう変化球は面白いですね。王道だけど、どこを切り取るか?が重要だと思っています。
僕だけでなく、日本人は、欧米人にも、アジア諸国の人々にも無い視点を持っているし、そこを立たせれば、勝てると思います。自分なりの作品をいかに作るか?が一番突破口だと思います。

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