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齋藤俊道監督インタビューINTERVIEWSDec.01,2015

⑤日本とアメリカの映画制作環境の違い

日本とアメリカの映画制作環境の良い点、悪い点を教えて下さい。

必ずしも日米比較に基づく訳ではありませんが、自分の思っていることを述べます。

日本の映画制作環境の良い点は、地方のフィルムコミッションがきめ細かく広範なサービスを提供していること、長時間の撮影もいとわないタフで勤勉なスタッフが多いこと、俳優のギャラが比較的安価に抑えられているため若手監督でも優れた俳優と仕事をしやすいこと等です。

悪い点は、首都圏のフィルムコミッション及び行政が映画撮影に対してフレンドリーでないこと、製作陣がスタッフに長時間の過酷な労働を強いることをよしとしていること、一方で俳優やスタッフが自らの労働条件の改善を求めて団結しないこと等です。

アメリカで一般的な「1日の撮影は12時間まで、翌日の開始まで最低10時間をあける」
というルールは、そもそも危険な映画撮影現場での事故を未然に防ぐ上でも、良い作品を作るという目的を考慮しても理にかなっていると思います。

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他に日本映画界が改善すべき点として、まず行政面では、国際共同製作条約をもっと多くの国と結ぶこと、映画をコンテンツ産業としてより文化として尊重し保護していくこと、映画撮影に対して税額控除等のインセンティブを設けること。

次に業界レベルでは、若手監督の育成・発掘・助成に制度面で本腰を入れて取り組むこと、市場分析を過信して製作者が観客を見下したような企画ばかりを通さないこと、オリジナル脚本にもっと挑戦すること、一方インディー界では、若手監督が作品の完成度を高めることによって「自主映画=アマチュア映画」という悪いイメージを払拭すること、最後に現場レベルでは、「俳優部」「照明部」等と呼ばずにお互いを名前で呼び合うこと等が挙げられます。

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