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齋藤俊道監督インタビューINTERVIEWSDec.01,2015

④日本とアメリカの映画制作環境の違い

齋藤監督は、スパイク・リー氏やジョン・ハンバーグ氏など著名な映画制作者に師事していますが、どのような経緯でどのような事を学ばれましたか?

スパイク・リーはニューヨーク大学大学院映画学科で演出を教えている他、オフィスアワーでは個別指導もしています。

僕はクラスメートの作品の編集を積極的に引き受けていて、周囲がその技術や姿勢を評価してくれていたので、在学中にスパイク・リーが監督するドキュメンタリー映画の編集助手に推薦され、その後2年間その仕事をしました。

スパイクは、本当にいつ寝ているのか分からない程、仕事熱心な人です。
彼の制作会社には3つの編集室があるのですが、3つともほぼ毎日フル稼働で部屋毎に別々の作品が編集されていました。

スパイクは3つの編集室を渡り歩いて指示を出し、それ以外の時はもう1つあるCM専門の制作会社に出向いたり、撮影に出たり、大学院で教えたり、ニックスの観戦に行ったり、LAに飛んだり、常に忙しく動き回っている人でした。

また、移動時には常に屈強な男(でも中身は優しい人)を連れていたことから、彼が命がけで映画を作っていることは明らかでした。

僕はそんなスパイクの姿を見て、プロの映画監督として生きていくということがどういうことかを深く理解し、覚悟を決めることができました。

Page4 Spike Lee's Company_2

ジョン・ハンバーグも同フィルムスクール出身で、映画『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズや『ズーランダー』等のコメディー脚本家として頭角を現し、今ではアメリカを代表するコメディー監督・脚本家・プロデューサーとして活躍しています。

僕が大学院三年生の時にたまたま客員教授としてやってきたのですが、僕はジョンが監督した『Along Came Polly』というラブコメが大好きだったので、彼が演出クラスを持つということで大喜びでした。

彼からは、時間的な拘束の強いドラマ等の現場を想定して、短時間でシーンのビートを分析し、そのシーンにとって最適なブロッキング(役者の配置と動き)を見出し、役者から最良の演技を引き出す実践的な演出法を学びました。

また、レンズの使い分けとカメラ位置の決定についても毎週の課題を通して徹底的に学びました。
このクラスで撮った短編『音声マンの恋』はショートショートフィルムフェスティバル & アジア2012にも入選しました。

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